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FRBの姿勢で注目すべきは、「今やFF金利(日本のオーバーナイト・レートに相当する)はほぼゼロであるが、FRBにはこの危機に対して利用できる数多い政策手段がある」(国の目目南宮邑)と、B議長がことあるごとに市場に「金融政策の有効性」を伝えていることである。
08年10月以降、FF金利の誘導水準は0.パーセントから0・25パーセントで、ほぼゼロ金利である。
日本でも1999年2月中旬から2000年8月上旬まで、ゼロ金利政策が採用され、2001年3月半ばからは、ゼロ金利のもとで日本銀行当座預金を増額していくという「量的緩和政策」が採用された。
量的緩和政策が採用された当時、S総裁は日本銀行企画室審議役であったが、ゼロ金利のもとでの「量的緩和」が実体経済に与える影響については否定的であった。
日本の経済学界でも量的緩和に否定的見解を持つエコノミストが少なくなく、私のように「日銀は1パーセントから3パーセントの範囲にインフレ目標値を設定した上で、長期国債買い入れに制限を設けることなくこうした、従来、FRBが買い入れ対象としなかった証券の買い入れやそうした証券を担保とするFRBの貸し出しを、B議長は「信用緩和」と呼んで、かって日銀が採用した銀行の日銀当座預金を増やすという「量的緩和」と区別している。
3長期債の買い入れ。
すなわち、政府支援機関の長期債と政府支援機関発行の住宅ローン担保証券および長期国債の買い入れ。
1CPや資産担保CPの買い入れ。
2学生ローン、自動車ローン、クレディット・カード・ローン、中小企業庁によって保証されたローンなどを担保とするトリプルAの資産担保証券を担保とするFRBの貸し出し。
買い入れを進めるべきだ」と主張するものは少数派であった。
この量的緩和政策時代の日銀関係者や日本の経済学界の雰囲気と今回の経済危機に立ち向かっているB議長率いるFRBの姿勢とを比べると、感慨に堪えない。
FRBが採用した非伝統的金融政策は、次のようになる。
資産を購入するから、銀行の中央銀行当座預金(日本の場合は、日銀当座預金)が増えることに変わりはない。
しかし、量的緩和では中央銀行がどのような証券を買い入れるかは問題としないが、FRBが採用している信用緩和では、中央銀行が銀行からどんな証券を買うか、あるいは、どんな証券を担保に銀行に資金を貸すかを重視する。
それは、異なる証券は完全には代替的でないという点に着目しているからである。
例えば、満期が同じでも短期国債とCPは完全に代替的ではない。
今回の米国では、CP市場が壊滅的な打撃を受けた。
それは、CPの発行企業の債務不履行リスクが大きくなったため、投資家がCPを買おうとはしなくなったからである。
この状況で、FRBが銀行から短期国債を買い入れても、CPを買い入れても、銀行の中央銀行当座預金が増えるという点では同じである。
というのは、中央銀行が銀行から証券を買い入れるときには、その銀行が中央銀行に開設している中央銀行当座預金口座に、中央銀行が買い入れ代金を入金するという方法をとるからである。
しかしFRBが銀行から短期国債を買い入れるときには、銀行は増えた中央銀行当座預金を保有するだけで、新たに証券を購入したり、貸し出しを増やしたりしないかもしれない。
実は、日本の量的緩和期には、こうしたことが起き、日銀の短期国債の買い入れに伴って日銀当座預金が増えただけで、銀行の証券購入はほとんど増えず、貸し出しはむしろ減少し続けたのである。
それに対して、FRBがいつでもCPを買ってくれることが約束されれば、銀行は信用リスクがあっても、CPを買ってもよいと考えるであろう。
これにより、銀行のCP購入が増えれば、銀行以外の投資家も安心してCPに投資するようになる。
企業もCPによる資金調達が以前よりも容易になれば、資金繰り難から債務不履行に陥るリスクも軽減される。
そうなれば、CP市場が安定し、やがて、企業はCPで資金調達した貨幣で、在庫投資や設備投資を開始し、生産を拡大するようになるから、景気は回復に向かう。
そうなれば、FRBは次第にCP買い入れを減らしていくことができるのである。
2009年3月末のFRBの貸借対照表を見ると、非伝統的金融政策によるFRBの信用供与(CPなどの資産の買い取りや資産担保証券を担保とする貸し出し)は全体の信用供与の約26パーセントに達している。
それに対して、日銀の非伝統的金融政策による信用供与は信用供与全体の2・4パーセントにとどまっている。
英米中銀は日銀をしのぐ長期国債買い入れを開始、FRBは2009年3月18日に、「米国と外国の経済停滞に嘱率は低下すると予想される。
それだけでなく、今後しばらくの間、で、FRBは経済回復の促進と物価安定を維持するために、あらゆる利用可能な手段をつかう」と述べて、長期国債を向こう半年で最大3000億ドル(約30兆円)購入し、政府関係債と住宅ローン担保証券の買い取りを増額して一兆4500億ドル(約145兆円)とすることを決定した。
一方、イングランド銀行は2009年3月5日に政策金利を0・5パーセントに引き下げると同時に、このままでは実際のインフレが目標インフレ率である2パーセントを下回るリスクがあるとして、今後3カ月間で750億ポンド(約10兆6000億円)の長期国債(一部社債を含む)を購入することを決定した。
イングランド銀行マーピン・キング総裁はBBC放送のインタビュー(2009年3月5日)で、「750億ポンドで十分ですか」と聞かれて、「それを判断するのは難しい。
始めるにあたっては適切な額と思う。
私は金融政策の手段を前もって縛らずに、経済危機の大きさに合わせて選択するプラグマティズムが不可欠であると考える。
以上の結果、FRBとイングランド銀行は長期国債を月額換算でそれぞれ約5兆円と約効果を見て、もっと必要か、もっと少なくてよいかを見極めたいと思う3を促し、長期的に物価の安定を維持するに適切な率を下回る可能性がある3・5兆円購入することになった。
日銀は2009年3月18日に長期国債購入を月額1・8兆円に増額したが、英米の4割弱から5割にとどまっている。
しかも、S日銀総裁は18日の定例記者会見で「(長期国債の)追加的買い入れ余地はかなり限定される」と述べている。
FRBは低すぎるインフレ率を警戒、リーマン・ショック後のアメリカの消費者物価(食料とエネルギーを除く消費者物価で、米国ではこの上昇率をコア・インフレ率と呼んで金融政策上重視している)の対前月比インフレ率は0・2パーセント程度が続いており、2009年4月現在、年率のコア・インフレ率は1・9パーセントである。
FRBは09年3月現在のコア・インフレ率と今後の内外の経済停滞を考慮すると、インフレ率は経済成長を促し、物価の安定を維持する上で、低すぎる水準に低下する恐れがあると考えている。
一方、日本では、日銀が重視している生鮮食品を除いたインフレ率はリーマン・ショック後、09年2月まで、前月比マイナス0・一。
パーセントからマイナス0・8パーセント程度が続いた。
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